今回は椎間板ヘルニアで病院(整形外科)へ行った時に行われる治療についてお伝えします。
1:痛みどめの薬(鎮痛剤)
腰痛や痺れを訴えて病院で検査をして『腰部椎間板ヘルニア』と診断されると、まず最初に痛み止めの薬を処方される事が一般的なヘルニアへの処置となります。
痛み止めの薬は(強い順)
① ボルタレン ② ロキソニン ③ インドメタシン ④ イブプロフェン
⑤ ポンタール ⑥ アスピリン
痛み止めの薬が処方されないという事はまずありません。
鎮痛薬は、あくまでも痛みを止めるものであって、基本的にこれを飲めば飛び出たヘルニアが引っ込むわけではありません。
そして、残念ですが治りが良くなるとか、早くなるというものではありません。
だから、飲んでもヘルニアの痛みがマシにもならないのに、早く痛みを止めたいが為に飲み続ければ良くなるというものではありません。
ただし、絶対に飲まない方が良いというわけでもありません。
例えば、どうしようもなく痛くて夜眠れない日々が続いているとか、日中も仕事に支障が出て常に痛みで精神的に辛いというようであれば、痛みどめの薬を飲むべきです。
なぜなら、自律神経が乱れてしまって、痛みで寝られなかったり精神的な負荷が強かったりすると、特に自律神経の交感神経=体を活動的にする神経が興奮します。
すると、筋肉が硬くなってしまい、椎間板ヘルニアが治るのを阻害してしまうからです。
ただし、あくまでも根本的な改善には至らないため、常用的に服用しないのは言うまでもありません。
一番恐ろしいのは、痛みどめの薬で痛みを誤魔化しているうちに、ヘルニアは出たままなので症状が悪化していく事です。
2:湿布
病院で処方される医療用の湿布薬の場合、鎮痛剤が染み込んでいて、湿布を貼ることで皮膚から痛みどめの薬が吸収されて痛みの緩和が効果が期待できます。
飲み薬と比較して効果が弱い反面、飲み薬に比べて胃腸や肝臓への負担は少ないため、そういう意味では飲み薬より安全性は高いと言えます。
ただし、注意していただきたいのは年配の方で「体のあちこちが痛いから毎日、10枚は貼っている」という話をききます。
いくら、湿布は胃腸や肝臓への負担がかかりにくいとはいえ、枚数が多すぎると皮膚から薬の成分が体内に吸収されていくので、副作用がまったくでないというわけではありません。
言うまでもなく、椎間板ヘルニア自体を治す作用があるわけではなく一時的に痛みを緩和させるためのものなので、根本的に治すことはできません。
3:腰椎牽引
椎間板ヘルニアの物理療法として比較的多く行われます。
なぜ、腰椎を引っ張るのかといいますと、腰を引っ張って腰椎と腰椎の「間」を広げることで、神経の圧迫をなくすことで痛みや痺れを取りましょうというのが腰椎牽引の原理です。
だいたい、牽引は体重の約半分の負荷を目安として(体重が70㎏なら、負荷を30㎏~35㎏)で腰を上下に引っ張るわけです。
10分程度の時間、引っ張ったり戻したりする程度であり、椎間板ヘルニアが修復されるような作用があるわけではありません。
最近では、この腰椎牽引は「効果がない」という研究結果が相次いで出されているし、まだ、はっきりとした根拠がないというのが実情ですが、とりあえず腰痛や椎間板ヘルニアの患者さんが来た時には今まで通りの流れで腰椎牽引の指示が出されます。
何度やっても効果がない、または痛みが増してきたときは直ぐに中止をするという対応が必要です。
4:ブロック注射
椎間板ヘルニアの腰痛で痛みが酷い時や痺れが強いと、「ブロック注射」という治療が行われることがあります。
ブロック注射というのは腰痛をもたらす原因となっている神経や、その周囲に行う局所麻酔のことです。
麻酔なので、もちろん椎間板ヘルニアが引っ込んでなくなるわけではありませんが、痛みに関しては最も強力な鎮痛作用を持ちます。
この注射をすることで、今の激痛が自然に軽減するまでの間の痛みを耐える目的の為なら有効な治療です。
しかし、その反面、椎間板ヘルニアとなってしまった原因に対しての処置ではないため、ブロック注射で痛みを凌いでいるうちに椎間板の圧迫がなくなるわけではないので痛みは軽くなった感じはするけど、実際は麻酔が切れてしまうと更なる激痛に襲われる可能性があるので注意が必要です。
病院(整形外科)で椎間板ヘルニアの激痛や足のしびれを治す方法は今のところ手術しかありません。
近年では椎間板ヘルニアの手術方法は複数の種類があり、種類によって費用や身体への負担、あと入院期間なども異なります。
次回は椎間板ヘルニアの手術方法についてご紹介させていただきます。
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